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いなかの猫の天邪鬼部屋

第7話

OnAir~シーズン2・第7話~


#道路

(ギョンミンとヨンウン、並んで歩いている。)

ヨンウン : すごく久しぶりだわ、こんなふうに歩くのは..

ギョンミン : (ヨンウンを見ながら微笑む) そうだね。これからどうする?

ヨンウン : ちょっと家に寄って行かないとならないの。チュニを塾に送って、塾の先生に頼むこともあるから..

ギョンミン : 頼むことって?

ヨンウン : チュニをママの店に連れて行ってもらうの。当分の間、そうするしかないと思うわ。(力無く) 店に長い時間いさせたくはないんだけど...

ギョンミン : .....

ヨンウン : 監督は?

ギョンミン : とりあえず局に戻らないと。ユン作家に来てもらう事にしてるから。

ヨンウン : (しばらくギョンミンの頭と足を見ている) ... シャワーも浴びずに、ね..

ギョンミン: (何だろうと思って) 何?...ああ...(笑う)

ヨンウン : (笑う)...うまく行きそう?

ギョンミン : まだ始めてもいないのに、何を...。そっちは?

ヨンウン : 私の方も ...あなたのドラマと私のドラマと、ほとんど同じ時期に始めるでしょう?

ギョンミン : うん...そうだけど?

ヨンウン : お互い忙しいから名残惜しがってる暇もないわね。

ギョンミン : (にっこりと笑って) 幸いに、なのかな。

ヨンウン : でも、たまには顔を見せてくれる?

ギョンミン : (わざと深刻そうに) 今は仕事部屋行くのを嫌がられている気配があって、難しいんだよね。

ヨンウン : どうして?..ミジュのせい?

ギョンミン : 前みたいに気楽には行けないんだ...

ヨンウン : じゃあ...私の方から行くわ。...いえ、あなたが来て。部下の機嫌をうかがって仕事をするなんておかしいわ。

ギョンミン : (ヨンウンを見ながら笑う) 仕事のために行くのなら、堂々と行けるよ。

ヨンウン : 仕事よりももっと重要なことよ。たくさん来て。毎日!来て。

ギョンミン : (にっこりと笑って) 時間がないけど。

ヨンウン : 仕事が終わってから寄って。ちょっとだけでもいい。会いましょう。

ギョンミン : あまり遅くならなければね。

(放送局前到着)

ヨンウン : 行って。後で会いましょう。

ギョンミン : 車は?

ヨンウン : 駐車場よ。

ギョンミン : 行こう。そこまで送ってやるよ。

ヨンウン : (嬉しそうに) うん。

(セア、駐車場に車を運転して入って来る。)

(ギョンミン、ヨンウンの車の運転席のドアを開けてやって。)

ギョンミン : それじゃ。

ヨンウン : (ギョンミン見て幸せそうに) このまま一緒にドライブに行けたらいいのにね。

ギョンミン : (にっこりと笑って) ごめんな。

ヨンウン : いいのよ。私もそんな時間ないんだから。行って。

ギョンミン : うん。気を付けて行けよ。

(ヨンウン、駐車場を出て行く。ギョンミン、ヨンウンの車が消える方向を見ている。)

セア : 監督!

ギョンミン : (振り返る) あ、ユン作家。いらしたんですね。

セア : 誰ですか?今のは。

ギョンミン : え?..あ...友達ですよ。

セア : ...彼女ですか?

ギョンミン : (表情をそっと固くして) ...行きましょう。

セア : (しょげたように)...はい。


#ヨンウンのアパート前

(ヨンウン、車から降りる。)

オキシム : (ベンチに座っていたが立ち上がって)チュニのママ!

ヨンウン : (驚いて振り返る) あら!お母さん...

オキシム : (ヨンウンを見て暖かく微笑む)...


#ヨンウンのアパート

ヨンウン : (ソファ-示して) お座りください。(狼狽して嬉しそうに)急にいらっしゃって...家もひどい状態ですけど..

オキシム : 普通の家はどんな状態か、見たことないもの。

ヨンウン : (困った表情) お母さん...そんなお話をされたら私が恥ずかしいでしょう?

オキシム : (笑う) 忙しいんですって?

ヨンウン : はい..まだ大丈夫ですけど、来週からは忙しくなると思います。

オキシム : チュニはまだ帰ってないの?

ヨンウン : はい、まだです。もう間もなく帰って来ますので。...ちょっとお待ちいただけますか?

(ヨンウン、キッチンに行って果物を用意する。)

オキシム : お構いなく。

ヨンウン : いいえ。せっかくいらっしゃったのに、何も用意していなくて...

(ヨンウン、果物の皿を持って来て)

ヨンウン : どうぞ、召し上がってください。

オキシム : ありがとう。

ヨンウン : (笑って) いえ....。(手を触って) 指輪ありがとうございます。

オキシム : (ヨンウンの手を見て微笑む) 大した物じゃなくて、ごめんなさいね。

ヨンウン : (感激して) いいえ。(目が赤くなる)

オキシム : (ヨンウンを見て、いじらしそうに) どうしたの? きまり悪いじゃない。

ヨンウン : (笑う) 申し訳ありません。私、ちょっと...わざとらしく見えますね。

オキシム : ....

ヨンウン : ....(オキシムの顔色をうかがう)

オキシム : 人を探しているの?

ヨンウン : え?(怪しそうに) どうして分かったんですか?

オキシム : 偶然、電話での話を聞いたのよ。

ヨンウン : あ、そうでしたか。...まだです。お母さんのようにチュニがなつくような人もいないし、誰でもい

いわけじゃないですから。

オキシム : それじゃ..(しばらく考えて) 私が見てあげるわ。

ヨンウン : (驚いて) え?お母さん ...それは..

オキシム : する事もないし。忙しいんですって?私がやるわ。

ヨンウン : でも、お母さん...

オキシム : ギョンミンには私が話すから。心配しないで。

ヨンウン : 私も..お母さんが見てくれれば心配ないです。でも...

オキシム : ただし、タダでは見てあげないわよ。

ヨンウン : え?

オキシム : ちゃんと月給をちょうだい。いい副業になるわ。

ヨンウン : (やむを得ず笑う) はい...


#ドラマ局小会議室

(ギョンミン、シナリオを見ている。セアはギョンミンを見ている。)

ギョンミン : (台本を全て読んで) シノプシスからちょっと変わったようですね。

セア : はい...考えてみたら幻生よりこの方が新しいと思ったんです。

ギョンミン : お互い違う時間の人たちだから...新しくはあるけど...ちょっと危ないんじゃないですか?

セア : どんな点がですか?

ギョンミン : 結末まで話を上手く持って行けるかどうかという点です。

セア : (気分を悪くして) 難しいと思われますか?

ギョンミン : 気分を悪くされたのでしたら謝りますよ。俺が心配しているのは、この種の試みは、結末が結局はアンドロメダになる場合が度々あるからです。

セア : アンドロメダでも外国でも、結末は私が上手くまとめられますから。

ギョンミン : (しばらく考えて) 申し訳ないが、全体的な構成と結末を具体的に少し作ってもらえますか?

セア : (ため息) 信用されてないんですね。

ギョンミン : 申し訳ありません。俺はちょっと疑い深い性格なので。

セア : (しばらく考えて) 分かりました。一週間以内に持って来ればいいですね?

ギョンミン : はい、一週間で。

セア : 分かりました。(立ち上がりながら出る)

ギョンミン : お疲れ様です。

セア : (振り返って) ところで...私たち、そのうち一度一緒に食事をしませんか?

ギョンミン : え?あ...そうですね。

セア : やはり...(少し挑戦的に) 監督とちょっと親しくなる必要があります。

ギョンミン : (口元だけでそっと笑う) そうですね...そのうち一杯やりましょう。

セア : お待ちしています。(出て行く)

(ギョンミンちょっと警戒しているよう)

(携帯電話メール着信音)

(ギョンミン確認)

" 忙しい?まだ会議中?"

(ギョンミン発信ボタン押して)

ヨンウン : (声) はい。

ギョンミン : 今ちょうど終わったところだ。どうした?

ヨンウン : あの、ちょっと...問題が起こったの..

ギョンミン : どんな問題?

ヨンウン : (ため息 )あの...お母さんがいらして...

ギョンミン : ママが?どうして?


#ドラマ局

(ギョンミン机に座って考えている)

(オキシムの電話の声を回想する)

" 何も言わないだから。おまえにはしたい事をさせて来たんだから、今は私がしたいようにさせて。チュニのためなんだから。どうして知らん振りをするの?分かってるのかい?"

(ギョンミンの気持ちは複雑)


#夜遅く、ギョンミン車中

(ギョンミン、分からない表情で前を注視)

(ヨンウン、ギョンミンの顔色をうかがう)

ヨンウン : ごめんさい。お母さんがどうしてもやるとおっしゃるから、どうしようもなかったの。(どうしていいか分からないと言うように)

ギョンミン : ....

ヨンウン : 怒った?(泣きそうになって) どうしよう...あの、私がもう一度人を探してみるから。その方がお母さんも気を遣わなくていいと思うし.....

ギョンミン : (相変らず前を見て)いや、そのままでいい。

ヨンウン : (聞き誤ったかと思って) えっ、何ですって?

ギョンミン : 実は...(ため息をつく) 俺もママに頼もうと思ったんだ。

ヨンウン : (意外そうに) え?ホントに?

ギョンミン : .....

ヨンウン :(ギョンミンの顔だけ見る)

ギョンミン : 頼もうと思ったんだけど、出来なかったんだ。どう切り出そうかと思ったけど、プライドが邪魔して...。その時、ママの立場は眼中にもなかった。そんな自分の姿に自分自身が驚いたよ...

ヨンウン : ....(ギョンミンの気持ちを知って涙ぐむ)...

ギョンミン : エゴイストなんだよ。俺は....俺の女が大変だという事だけ見えて...ママが気まずいだろうと考えたのは後になってから...。多分ママは分かったんだろうな。俺が言おうとしていた事が何なのか...

ヨンウン : (心が痛い。こんなに愛されていると思って) ....

ギョンミン : 俺...(ヨンウンの方を横目で見て) ひどい息子だろ..?

ヨンウン : (震える声で)ひどい息子ね...

ギョンミン : (ヨンウンを見る。やや苦いほほ笑み) また泣く...

ヨンウン : 私の男がひどい息子だから辛いのよ...

ギョンミン :(黙々とヨンウンを眺める)

(ヨンウン、ギョンミンを見て、近付いてギョンミンの唇にキス)

ヨンウン : (離して) ごめんなさい..(涙落ちる)

ギョンミン : ...(親指でヨンウンの涙をぬぐってやる)

ヨンウン : (べそをかいて) 愛してる..

(ギョンミン、ヨンウンに暖かいキス)





(原作出処:sonkhj1116さんのブログ




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